旅するぽんきち♂

クライミングと食欲の狭間で苦悩するぽんきち♂の日記。

長期縦走における装備の話。

今年のお盆休み、はじめて山中5泊6日(うち1泊は小屋迫、残りはテント泊)という長期山行を行った。これまで2泊程度の山行は経験があったが、これだけの長期(当初予定は8泊9日)で長距離を移動しながら山の中で生活するというのははじめての経験で、事前準備では装備の選定に非常にアタマを悩ませた。今回は代表的な装備についての備忘録と反省を残しておこうと思う。

まずザックは往年の名品、グレゴリーのパリセード65L(+10L)にした。大容量のザックはこれしか持っていないのと、購入してから約20年、背負い心地に絶大な信頼を寄せているザックである。しかしながらぼちぼち経年での劣化やヘタリガ目立ち、今回の山行では上手く腰で背負うことができず、結構肩が痛かった。

とは言えいまだ現役で活躍してくれている。写真は去年の白馬岳の時のもの。

続いてテントは最近購入したNEMO TANI2P。2人用で最小重量(ペグなどの付属物を除いた、インナーテント、フライシート、ポールの重量)1.18kgという超軽量テントである。

今回は雨が多かったためテント内で過ごす時間も多かったが、2人で入っていても不都合はなかった。ただ、軽量化を追求するあまり生地はかなり薄い。写真のようなガレ場での使用も考えて、専用のグランドシートを持って行ったが、結局少し破れて穴が開いた。あと、雨続きでは地面側から水気の染み出しも発生、これは破れ穴は関係なく、単純に水がグランドシートや本体生地を透過して入ってきている様子。軽いというメリットの反面、そんなデメリットもあった。ちなみに今回はテント内の銀シートは持って行っていなかったが、染み出しを考えると必須だと思う。

靴は前回の別山・白山登山から愛用しはじめたスポルティバのTX-5。ここ最近山の装備で購入したものの中で最も満足度が高い。柔と剛が程よく織り交ざっており、ザレ場や岩場、ぬかるんだ道や雨の中でも快適に性能を発揮してくれる。

泉沢でも防水・フリクションともにバッチリだった。

食器はビリー缶(焚火缶)の中サイズ1つとフライパン、炊飯用にレギュラーサイズのメスティン、やかんを選定した。これであらかたの調理は可能。炊飯は毎回生米を炊いたので、事前にクッキングシートをメスティン折りにして持参した。

家でクッキングシートをメスティン折りして準備、折り紙が苦手なので苦労した。

取り皿は100均でプラ容器を買って2つ持って行った。いつもはアルミのものを持って行っていたがこっちの方が圧倒的に軽い。食後の掃除も楽で重宝した。

一日で一番楽しい時間。

食器類に関して総括すれば、重さに加えてザック内のスペースを結構取ってしまったことが反省点。結果的に下山した今では、フライパン、ビリー缶を排してテフロン加工されたラージ・レギュラーメスティンの2つで十分じゃないかと思っている。あと、プラ製の取り皿に関しては重さに不服はないものの、やはりスペースを取りやすいので、下山後新穂高ロープウェイターミナルで、早速フォッジルズの折りたためる食器を購入、今後の活躍に期待したい。

火器に関してはこれも往年のレギュラーであるsnowpeakの地ストーブが活躍してくれた。ガスカートリッジは2人で合計4本、1日1/2缶計算で行ったが結果的にはかなり余った。我々のように結構ガチで調理や熱燗を作っても余るのだから、ジフィーズ(アルファ米)などを中心にした食事で計画する場合はもっと少なくてもいいと思う。

今回炊飯にはガス節約の観点から、固形燃料(30g25分燃焼、100均)を使用した。火力が足らず仕上げをガスに頼ることにはなったが、固形燃料を併用するという発想は良かったと思う。

ちなみにこの固形燃料を置くストーブが逸品、Air Stove FK-0003である。その重さはなんと19gと超軽量、写真のようにカードサイズに収まりスペースも取らない。しかも気になるお値段は1,700円と超お買い得。UL登山などをされている方にはメインストーブとしてもおススメ。

ウェアー類は一式ファイントラックに頼った。かさ張るため原則は行動用一式とテント場用一式のみの持参だった。そのほか薄手のフリースとNORTHFACEのアコンカグアダウンジャケットを防寒用に持参。

finetrack(ファイントラック) ドライレイヤークール タンクトップ MEN'S FUM0823 BK

特にファイントラックのドライレイヤークールはパンツなどの下着も含めていい仕事をしてくれた。まったく臭くならない訳ではないが、不快さはかなり軽減される。

雨具はこれまた骨董品で15年ほど前に買ったマムートのゴアテックス。内部が加水分解を起こしており、着ているとどんどんシームが剝がれてくる。新穂高温泉に下山したときに破棄しました。

雨に濡れた雨具を乾かす。

SEATOSUMMITシートゥーサミット|スパークSpIレギュラースリーピングシステムについてはSEA TO SUMMIT スパークSpIを持って行った。シュラフカバーのみという選択肢もあったが、長期山行ということもあり眠りには気を使いたかった。

重さも僅か350gと超軽量・コンパクト。もう少し寒い時期にはダウンパンツとの併用で3シーズンはしっかり使える。

シートゥサミットエアロプレミアムピローレギュラーST81030001売り尽くし

若いころは丸めた衣服やウエストポーチを枕にしていたものだが、いまやテント泊で枕は必須。とても快適だった。

マットもここ1年で完全なるレギュラーを獲得したNEMOのテンサーアルパイン(ショート)。雪山でも使用したが地面からの冷気を見事なほど遮断してくれて、とても快適に眠ることができる。あと、スリーピングシステムで欠かせないのは耳栓とアイマスク、これ必須。

ナビゲーションシステムはガーミンのetrex32xを持参。地図の補助的な役割で活躍しましたが、表示速度が遅いのでイライラもしました。

光源としてはヘッドランプのほかに、主力をモンベルのミニランタンとし、サブでキャリーサザンのソーラーランタンを初めて実装。

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モンベル ミニランタン。単三電池1個でかなりの光源が確保できて重宝ですが、電池消費は多いので重さが増えるという難点がある。

キャリーサザンのランタンはモンベルには光量は劣るものの、電池不要で軽量。重量を優先するのであればこれ一択という選択肢もありだと思う。写真は高天原山荘の屋外ベンチにて。

装備全景。他にも細々したものは紹介しきれないほどあーでもない、こーでもないとやりあげました。準備の時間も楽しかったが、金も結構かかったので、ちょっと節約せねば。最終的に食糧含めて重さは約25kg程度になりました。今後はこれをどこまで圧縮できるかが課題ですね。