旅するぽんきち♂

クライミングと食欲の狭間で苦悩するぽんきち♂の日記。

北アルプス大冒険 ④黒部五郎小舎~黒部五郎岳(ピストン)~高天原山荘【2022.8/11(木)】

<トラックデータ/コースタイム>

★8/11(木)4:35黒部五郎小舎⇒6:20黒部五郎岳⇒8:00黒部五郎小舎10:00⇒11:50巻道分岐⇒13:20三俣山荘⇒13:40黒部源流標⇒14:50岩苔乗越⇒16:18水晶池分岐⇒17:00高天原山荘 (TP積算距離17.69km)

 

例によって例のごとく、テントに打ち付ける雨音で目覚める午前3時。今日は天気がいいはずじゃないか、だからこそ昨日アタック予定だった黒部五郎岳を今日にずらしたんじゃないかと、寝ぼけた頭で考えながら起床。とりあえず黒部五郎にはいかねばならない。

暗い中をヘッドライトをつけて黒部五郎小舎をあとにする。雨がずっとしとしと降り続き、ガスが晴れそうな気配がない。

黒部五郎小舎は鞍部にあるため登山道の前後は鬱蒼とした樹林帯に囲まれているが、少し登れば森林限界を迎える。雨の中ガスがやわらんで見えた黒部五郎の岩稜。

おそらくこの辺が地質学的にも有名な黒部五郎カール。白くてなんもわからない。

f:id:tao_han_ten0829:20220815212445j:image肩に出てから風が酷くなった。稜線を少しひつこい登りを経て山頂へ。もちろん何も見えない。とりあえず記念撮影。黒部五郎小舎のテント場は携帯の電波が入らないので、ここで確認。auは電波が入ったのでお天気確認、、これからずっと悪いのか。。もーちょっと情報収集したいが強風と雨で寒くていられないので、これから向かう水晶岳薬師岳立山方面の数日間の天気を頭に叩き込んで早々に下山。実はこの2時間後知り合いの獣医おじさんがここに立っていたという事実をあとで知ることになる。

下山中に雷鳥をみた。家族連れで結構かわいい。鳴き声も聞いていたほど変じゃなかった。

雨の中8時に下山。朝飯を食いながら今後の身の振り方を考えようとしていると、まさかの雲間に青空が!一体何なんだ!?昨日の残りのカレーをほうばりながら、それでも天気に心が躍る自分が憎らしい。

完全に晴れた。とはいえ、この時点で相方のSNとは今後の天気も悪いので折立か新穂高から下山しようかという方向で協議。下山後のエスケープの便から考えても新穂高の方がよいので、とりあえず双六山荘を目指そうとテントを片付け出発。

f:id:tao_han_ten0829:20220815214048j:imageしかし、後ろ髪を引かれるド快晴。これでも今日の予報はⅭなのだ。

f:id:tao_han_ten0829:20220815214038j:image腹立たしいことに遠く笠ヶ岳まで見える。いったん下山と決めたココロが揺らぐ。

f:id:tao_han_ten0829:20220815214042j:image自衛隊の飛行機が定期的に何度も飛んでいた。

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ああ、憧れの薬師岳。この時点でSNと再度協議。実はこの山旅には懸念点がもう一つあった。それは雲ノ平キャンプ場の不確定さである。雲ノ平は言うに及ばない日本最後の秘境と名高いスポット。しかし時は大型連休、予約なしでは宿泊できないとの事前情報が。しかも予約しようにも満杯で予約不可。そんな事情があったので、天気も含めて撤退を一度決めたのだが、お天気というのは人のココロを弄ぶに十分なチカラを持っているらしい。雨が降ろうが明日12日の午後と14日は晴れるとの予報が出ているので、とりあえず山行を続けようと誓い合う。そして、そのご褒美(?)に今日はルートを変更して高天原山荘をダメ元で予約電話してみようと!

三俣蓮華岳中腹の電波の良いところで山荘に電話してみたら、なんと空きがありとのこと!高天原山荘は高天原温泉を備えた秘境中の秘境宿。電気がないのでランプを灯すことからランプの宿とも呼ばれている。そんなところに泊まることができるってことで、一気にテンションUP!

そうと決まれば一路高天原山荘へ。三俣蓮華岳の巻道を通って対岸に雲ノ平を眺めながら山腹を進む。雲ノ平が見える三俣蓮華岳の中腹にこれまたキャンプ適地があったので、taoの平と命名

f:id:tao_han_ten0829:20220815214051j:image巻道といっても結構な距離があったが三俣山荘に到着。今回の旅程ではここに泊まる予定はないが、なんでもジビエシチューが有名なお洒落な山荘。

f:id:tao_han_ten0829:20220815214058j:image天気が良いと気分が良い。鷲羽岳をバックに般若湯で喉を潤す。しかしゆっくりしている時間はない。高天原山荘はまだまだ遠い。

三俣山荘から雲ノ平方面の谷へ降りると黒部川水源地の標石。ここから岩苔への登りがきつかった。

f:id:tao_han_ten0829:20220815214045j:image岩苔乗越から高天原山荘へは水晶岳の下っ腹を沢沿いにトラバース。ここも長いし標高が低いので樹木が鬱蒼として歩きづらい。

ぽんきち探検隊の一の子分SNが樹林帯を征く。

高天原山荘へはあとちょっと。この時点で16時半過ぎ。

無事到着。テラスではすでに風呂に入って一杯機嫌の登山客があふれている。

久しぶりの風呂だー!そして久しぶりの布団だー!!楽しみ!!!

f:id:tao_han_ten0829:20220815220616j:image何はともあれ風呂!自分が臭い、髪の毛がポマードつけたようにベットリ。兎にも角にも風呂に入りたい。風呂は山荘から山道を20分ほど歩くことになる。川沿いに囲いのない混浴(?)と、川向に囲いのある男女別の湯がこしらえてある。

f:id:tao_han_ten0829:20220815220619j:image見られて恥ずかしいものなど何もないので、迷わず混浴に浸かる。ここでひとりの若者と一緒になった。しばし談笑しながらお互いの労をねぎらう。

f:id:tao_han_ten0829:20220815220613j:image湯からあがったらカラダが重い。ぜーぜー言いながら宿へ。夕食を食べていたら徐々に日が暮れてきた。それと同時に山荘内にランプが灯される。幻想的で美しい、、が、こちとら風情よりも酒食に傾倒しているのでがつがつ食べて酒飲んで、消灯時間の8時ぎりぎりまで粘りましたとさ。

 

つづく。